配偶者がエディンバラの地に始めて降り立ったのは、今から4年前のことである。仕事でロンドンから湖水地方を回り、最終目的地がエディンバラであった。乗り越してはいけないと地図で降りるべき駅を確認。そこで驚愕した。エディンバラにはWaverly StationとHaymarket Stationという2つの駅しかないのだ。ちゃっきちゃきの江戸っ子であり、地下鉄やJRを乗りこなしていた配偶者にとって、スコットランドの首都に電車の駅が2つしかない、という事実に驚かざるをえなかったのだ。
しかし、実際エディンバラに住み始めると、なるほど、納得がいった。エディンバラは完全なバス社会だったのだ。道を歩いていると必ず見かける、イギリスといえば〜、で同じみの2階建てバス。このタイプのバスは主にロジアン・バス (Lothian Bus)会社が運営しており、エディンバラ中に路線が張り巡らされている。
では、まずエディンバラでのバスの路線の調べ方だ。ロジアン・バスのウェブサイトの"Journey Planner"に出発地と目的地のストリートの名前(もしくは郵便番号)を入れよう。ちなみに、エディンバラの郵便番号はアルファベットと数字で構成されており、エディンバラ空港ならば"EH12 9DN"だ。またスマートフォン用のアプリも充実しており、iPhone用とAndroid用が用意されているので必要な人はダウンロードしておこう。
次に、エディンバラでのバスの乗り方だ。バス停に乗りたいバスの番号が書かれているか確認しよう。
時間は夏のフェスティバル時期や朝晩のラッシュ時でなければ、時間通りに運行しているはずだ。何分後にバスが来るかどうかは、先程ご紹介したアプリや、駅についているデジタルディスプレイ(すべての駅についているわけではない)で、確認しよう。
バスがきたら必ず順番を守ってバスに乗り込もう。外国では並ばず横入りする方々が見受けられるが、イギリス人は日本人と同様に列を作ってマナーよく乗り込む。時に赤ちゃんをつれた人を先に、また手伝いながら乗せてあげたり、道の関係で列が2つになってしまった時には譲り合う。この光景は、エディンバラは良い街だな、と思う瞬間の1つである。
バスの乗り口と降り口は共通で1つだけ。前側だ。
乗り込んだらすぐに切符を運転手さんから購入する。切符の種類は主に2種類。ちなみに子供料金はその半額程。5歳〜15歳が適応範囲だ。
1回使いきり券がSingle ticket、£1.6(2016年5月現在)。
1日乗り放題券がDay ticket、£4だ(2016年5月現在)。Day ticketはトラムにも使用できるが、空港エリアには適応外(公式サイト)
運転手さんへのかけ声は"Single please!!"もしくは"Day ticket please!!"と言おう。
注意すべきことは、お金を払う時、日本のような券売機はない。運転手さんの目視のもと小さい箱に入れるだけなのだ。このシステムではお釣りがもらうことができない。コインをぴったり用意しておく必要があるのだ。コインの準備を心配したくない人は、citysmartかCITYSINGLEticketを購入、もしくは先程のアプリからオンラインでチケットを購入しよう。ちなみにチケット購入や定期券が発行できる事務所はこちら。
チケットが買えたら、一階前側にある優先席以外の好きな席に座ろう。二階席の一番前はとても眺めが良い。
バス内は無線Wifiが飛んでいるので自由に使うことができる。"free-bus-wifi"という回線で、個人情報を入れる必要がないため気楽に使用可能だ。
もう1つ注意すべきことがある。それは、次に停まる駅のアナウンスが全く無いのだ。といっても、バス停の名前などあって無い様な存在である。配偶者は初出勤の時にどこで降りたらよいものか、大変オロオロしたことを覚えている。運転手さんに"ここに行きたい。どうか着いたら何卒教えてください"と懇願して難を逃れたが、勇気が出ない人は、スマートフォンに頼るか、予め予習して地図を持ち歩くかしかないと思う。配偶者は、未だに知らない場所に行くときは、Google Mapとにらめっこ。そうしていても1駅分早く降りてしまったり、乗り越すことはざらにある。
降りたい停留所が近づいたら、ブザーをならして、降りる駅直前の信号でストップしている時に、降り口近くでスタンバイしておこう。降りるときは"Thanks!"や"Cheers!"と簡単にお礼を言って出よう。きっと運転手さんも愛想よく返してくれるはずだ。
ロジアン・バスをマスターすれば、坂や石畳ばかりのエディンバラ観光がグッと楽になり、より楽しいものになるはずである。